【この記事のポイント】
- 課題: 駐車場への進入路が狭く、駐車場に向かってくる車と出ていく車の鉢合わせ(出合い頭)によるトラブルや事故のリスクがあった。
- 解決策: AI カメラの「車両認識」と「方向検知」機能を活用。駐車場に向かう車だけを正確に検知し、その情報を無線で伝送。駐車場出口の回転灯を自動で点灯させるシステムを構築。
- 成果: ドライバーは出庫前に先の状況を把握できるようになり、危険な鉢合わせが解消。スムーズで安全な車両誘導を実現。
1. お客様の課題:一本道での「出合い頭」、ヒヤリハットが頻発
「施設までの道が狭く、車同士がすれ違えない…」 このようなお悩みは、工場や商業施設、ホテル、病院など、多くの施設管理者様が抱える共通の課題です。
今回ご相談いただいたお客様の施設でも、駐車場へ続く一本道が非常に狭く、車両のすれ違いが困難でした。その結果、駐車場から出庫しようとする車と、施設へ向かってくる対向車が道半ばで鉢合わせになる事態が頻発。
ドライバー同士がバックで譲り合う手間や、接触事故のリスクが常にあり、安全でスムーズな車両誘導が急務となっていました。
お客様からのご要望は、**「駐車場へ向かってくる車を事前に検知し、出庫しようとする車に効果的に知らせる仕組みが欲しい」**というものでした。
2. アイゼックの提案:AI カメラによる「方向検知」「車判別」を活用したシンプルなシステムをご提案
この課題を解決するため、私たちは AI 機能を搭載したネットワークカメラの活用を提案しました。
ポイントは、従来の「動体検知」ではなく、AI による① 物体認識と② 方向検知という 2 つの機能を組み合わせた点です。
- ① AI 物体認識: 人や自転車、動物などには反応せず、「自動車」のみを認識します。これにより、不要な誤作動を防ぎます。
- ② AI 方向検知: 予め設定した仮想のラインを、「駐車場へ向かう方向」に通過した車両だけを検知します。これにより、駐車場から出ていく車には反応しません。
この 2 段階の高度な検知により、「駐車場へ向かってくる車」という特定のイベントだけをピンポイントで捉えることが可能になります。
3. システム構成:検知から通知までを無線でシンプルに実現
提案したシステムは、AI カメラによる検知、無線 LAN による信号伝送、回転灯(パトライト)による警告というシンプルな構成です。
【システム構成イメージ】
【システムの動作ステップ】
- 検知: 進入路の入口に設置した AI カメラが、駐車場へ向かう車両を検知します。
- 信号送信: カメラは検知信号(アラーム出力)を無線 LAN で駐車場側へ送信。
- 信号受信: 駐車場出口に設置したレコーダーで信号を受信。
- 警告: 信号を受信したらレコーダーからアラーム出力信号を出力し回転灯を作動。出庫しようとするドライバーは、対向車が接近していることを事前に認識できます。
機器の詳細な設定はこちらご参考ください。
【システム構成機器】
カメラ:ILC-4M79
レコーダー:GNI-M2 NVR
4. このソリューションの応用例
AI カメラの「方向検知」機能は、様々な場面で応用が可能です。
- 工場の搬入・搬出口での車両整理
- 倉庫のトラックヤードでの入退場管理
- 一方通行路の逆走防止・警告
- 特定のエリアへの侵入検知(人や車両を区別)
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アイゼックでは、AI カメラをはじめとする各種センサーの選定から、無線 LAN 環境の設計・構築、警告灯やゲートなど外部機器とのシステム連携まで、お客様の課題に合わせた最適なソリューションをワンストップでご提供します。
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