Yahboom Jetson Orin NX Super を使い始めてから数日
急に画面が真っ黒のまま起動しなくなりました
本体を再起動しても症状は改善せず、壊れたかと思いましたが
故障ではなく
ディスク容量不足(メインパーティション未拡張)が原因でした
Yahboom の Jetson Orin NX Super は、
初期状態では SSD の空き容量のほとんどが未割り当て領域のまま残っています。
そのため、アップデートや Python の追加、ログ蓄積などで
メインドライブがいっぱいになり、起動できなくなる=真っ黒画面となるわけです。
症状
Jetson Orin NX Super を起動すると:
- Jetson のファンは回る
- LAN ポートや USB の LED は点灯する
- しかし 画面は真っ黒のまま
- HDMI を抜き差ししても変化なし
- まるで OS が壊れた・基板が逝ったように見える
実際は 起動処理の途中で容量不足によりフリーズしているだけ です。
原因
初期状態の SSD は「未割り当て領域が大量に残っている」
Yahboom の OS イメージ(約 156GB)は、SSD に書き込む際に
最小限の領域だけがメインパーティションに割り当てられます。
たとえば 1TB SSD を使っていても…
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| メインパーティション | 約 156GB(OS 用に固定) |
| 未割り当て領域 | 800GB 以上残る |
そのまま使用すると、アップデートやログ蓄積で
メインパーティションが容量不足 → 黒画面で起動不可
に至ります。
復旧方法(容量不足が原因なら確実に復活します)
① Jetson から SSD を取り外す
本体から M.2 NVMe SSD を取り外します。
② 外付け SSD ケースに入れて PC に接続
おすすめ外付けケース例:
必ず NVMe 対応ケース を使用してください。
(M.2 SATA SSD は Jetson では使用できません)
③ Windows でパーティションを拡張する
- Windows の検索に 「disk」 と入力
→ 「ハードディスク パーティションの作成とフォーマット」 を開く - Jetson の SSD を右クリックし
→ 「ボリュームの拡張」 を選択 - ウィザードが開くので
→ Next → Next → 完了 をクリック
これで SSD 全体が Jetson 用に使用可能になります。
④ SSD を Jetson に戻し、起動する
パーティションを拡張した SSD を Jetson に戻して電源を入れると、
正常に画面が表示され、起動できるようになります。
まとめ:真っ黒画面は「故障」ではない
Jetson Orin NX Super の黒画面問題は、
- OS が壊れた
- ディスプレイに出力できなくなった
- 基板にトラブルが発生した
と感じられるほど深刻に見えますが、
実際は パーティション未拡張による容量不足が原因です。
Jetson Orin NX Super をセットアップしたらまずは:
最初にメインパーティションの拡張を行う
これだけで黒画面トラブルを確実に防止できます。